税務調査の制限|税務調査の注意点

  • HOME
  • 税務顧問・税務サービス案内
  • 税務会計・節税対策に役立つ情報
  • 事務所案内
  • お問い合わせ

税務調査の制限

問2
質問検査権の行使は無制限に認められるか。


質問検査権の行使に関しては、質問検査の必要性と納税者の私的利益との衡量において社会通念上相当な限度に止まる。
質問検査権の規定は、調査を受ける納税者に受忍義務を課した間接強制調査であり、調査に応じないときは罰則の対象となる。また、その調査資料収集から犯則事件への展開もありうる。それだけに憲法31条(法定手続の保障)、35条(住居侵入・捜索・押収に対する保障)、38条(不利益な供述の強要禁止)といった適正手続等の保障が必要である。
質問検査権の行使については、時・場所・方法・範囲などについて法的限界があり、その限界を超える質問検査権の行使は違法である。違法な質問検査権の行使について調査対象者は受忍義務を負わない。

根拠

憲法第31条(法定手続の保障)
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

憲法第35条(住居侵入・捜索・押収に対する保障)
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

憲法第38条(不利益な供述の強要禁止)
何人も、自己に不利益な供述を強要されない。

参考

「税務職員の質問検査について」に対する答申(昭和45年12月3日)
(日税連税制審議会)

税務調査の執行について

税務調査は、税務官庁が行なう税務相談等とともに、税務官庁と納税者がじかに接触する税務行政上も重要な場面の一つであり、税務調査のあり方いかんによって納税者の税務官庁に対する意識を大きく左右し、ひいては納税思想に重大な影響を及ぼすものであることにかえりみて、その執行に当たっては次の点に特に留意するよう希望する。

(1)任意調査の限界をこえるような態様で質問検査権が行使されることのないよう配慮すること。
税務職員が質問検査を行なうに当たり、たとえば納税者の同意を得ないで金庫や書庫、抽出し、箪笥等を開き、現金や預金通帳、さらには個人的な書簡等の検査を行なうなど、税務行政の執行上好ましくない調査方法をとる場合も見受けられるので、各税法所定の質問検査権は強制調査ではない旨を調査に当たる税務職員に周知徹底させ、職権の濫用にわたらないよう十分注意する必要がある。

(2)調査の目的、その必要性等を納税者に明示してその協力を得られるよう努力すること。
納税調査の運用においては、納税者に不必要な威圧感や恐怖感を与えないよう特に配慮されるべきであり、納務者と税務官庁との間に無用の摩擦や紛争をひきおこすことなく調査を順調に進めるためには、税務官庁は、調査にあたり、納税者にその調査の目的、その必要性等をできる限り、明示するよう努力することが望ましい。そうすることによって納税者と税務官庁との間に相互信頼の精神が培われ、納税者は自己の申告が正当であることを証明するために進んで調査に協力するという健全な慣行が除々につくり出されるものと期待される。

(3)調査に当たっては納税者の意思を尊重すること。
各税法に定められている質問検査権は、納税者に受忍義務があり、納税者がこれを拒否し、あるいは調査を妨害した場合等には罰則の適用があるという点において、純粋の任意調査であるとはいえないが、強制調査ではないので、その調査権を行使するに当たっては、相手方の承諾を必要とするものであることはいうまでもない。したがって、税務調査に当たっては、納税者の意思を十分尊重し、基本的人権の侵害にわたらないよう、納税者のプライバシー等その立場を十分に配慮することに留意すべきである。

最高裁判所大法廷(上告審)昭和47年11月22日昭和44年(あ)第734号

憲法35条1項の規定は、本来、主として刑事責任追及の手続における強制について、それが司法権による事前の抑制の下におかれるべきことを保障した趣旨であるが、当該手続が刑事責任追及を目的とするものでないとの理由のみで、その手続における一切の強制が当然に右規定による保障の枠外にあると判断することは相当ではない。しかしながら、前に述べた諸点を総合して判断すれば、旧所得税法70条10号、63条に規定する検査は、あらかじめ裁判官の発する令状によることをその一般的要件としないからといって、これを憲法35条の法意に反するものとすることはできず、前記規定を違憲であるとする所論は、理由がない。

最高裁判所第三小法廷(上告審)昭和48年7月10日昭和45年(あ)第2339号

所論のうち、質問検査に応ずるか否かを相手方の自由に委ねる一方においてその拒否を処罰することとしているのは不合理であるとし、所得税法の前記規定の違憲(31条)をいう点は、前記規定に基づく質問検査に対しては相手方はこれを受忍すべき義務を一方的に負い、その履行を間接的心理的に強制されているものであってただ、相手方においてあえて質問検査を受忍しない場合にはそれ以上直接的物理的に右義務の履行を強制しえないという関係を称して一般的に「任意調査」と表現されていることだけのことであり、この間なんら実質上の不合理性は存しないから、所論の前提を欠き、所論のその余の点はすべて前記規定の解釈に関する単なる法令違反の主張であって、いずれも適法な上告理由にあたらない。

「アメリカにおける質問検査権について」

「税務行政の適正手続と税理士の固有権」(P.11〜)(東京地方税理士会制度部)
実施調査をする場合、この為の連絡は、事前に調査官から電話又は手紙でなされ、それからの調査日程が調整されるのである。この場合には、調査に先立って当該問題に関して納税者及びその代理人との間で会談が持たれる。
納税者はこの機会を利用して調査内容を知る事ができるので、充分な準備体制を整える事が可能である。
従って第1回の調査で、処理の終結をする様に完全な準備が事前に行われる。
この根拠条文を挙げれば次の通りである。
「納税者の会計帳簿に対する検査は、1課税年度につき1回に限る。ただし、納税者自ら要請するか、あるいは、財務長官又はその代理人が、調査の結果、さらに追加的検査が必要である旨を納税者に対し、あらかじめ書面によって通知した場合はこの限りでない。」(法7065条(6))

質問検査権の法的限界

(1)前述の通り内国歳入法は、内国歳入庁に対し質問検査権を与えている。(法7602条)
(2)この権限を執行する為に、内国歳入庁は納税義務者又は、適当と認められるいかなるものに対しても、出頭すべき事、及び資料の提出すべき事を要請する召喚状を発する権限を与えられている。

(法7603条)
検査の要請は通常の場合、任意に受認されるが、もし納税者が受認しない場合には、召喚状が発せられるのである。
(3)この召喚状にも応じない場合には内国歳入庁は、連邦地方裁判所に対し、適当な手続によって、その強制的執行をなすべき事を求めることができる。(法7604条)
納税者としては、連邦裁判所に対し、召喚状を破棄するかその一部を変更する事を要求することができる。

  • セカンドオピニオン顧問税理士のご案内
  • 税理士をお探しの方、税理士変更をお考えの方へ
  • 医療税務相談・経営サポート