調査の延期の申し出|税務調査の注意点

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調査の延期の申し出

問3-ロ
税務署より、特定の日に調査したいという連絡があったが、都合が悪いのでこれを延期してもらうことができるか。


延期の申し出ができる。調査中の延期も含めて調査を延期することは調査拒否にはあたらない。

根拠

税務調査の際の納税者および関与税理士に対する事前通知について

(昭37.9.6官総6−230他各課共同、国税庁長官、国税局長)
申告にかかる事項についての税務調査の際に、納税者および関与税理士に対して事前通知を行うことについては、かねて納税者あるいは税理士からその励行方を要望されているところであるが、局署の取扱の実情は区々となっていることが認められるので、今後は次により納税者及び関与税理士に対する事前通知の取扱の統一を期することとされたい。
なお、このことについて、日本税理士連合会会長に対し別紙のとおり通知したから参考に送付する。

1.事前通知の管理

(1)局調査課等および署における管理
納税者に対して事前通知を行うかどうかは、調査担当者の判断に委ねることなく、幹部(課長、統括国税調査官、特別国税調査官、主任協議官、協議団支部長、課長補佐、主査または係長。以下同じ。)自身が決定して指示する。調査担当者は、指示を受けた事項、事前通知年月日、立会者の有無、立会者の氏名を税歴表または調査カード等の調査指令事項欄等に記載することにより、事績を明らかにすること。

(2)局における管理
局直税部においては、署における納税者に対する事前通知の実施状況を随時把握し、その情況を比較検討して、署によって区々とならないよう権衡の保持に努めること。

2.事前通知の時期および方法

納税者に対する事前通知は、原則として調査着手前妥当な時間的余裕をおいて、文書または電話により行うものとし、調査着手直前に電話で通知する等単に形式的な通知にとどまるようなことのないように配意すること。

3.事前通知の対象

1の(1)により納税者に対し事前に通知を行うかどうかは、幹部の良識ある判断によることはいうまでもないが、現況についての調査が重要である事案等事前に通知をすることが適当でないと認められるものを除く事案について、事前通知を行うこと。

4.関与税理士への通知

申告にかかる事項についての税務調査の際に、納税者に対して事前通知を行う場合において、その納税者について税理士法第30条の規定による代理権を証する書面を提出している税理士があるときは、同法第34条の規定により必ず2による納税者に対する通知とあわせて、その関与税理士に対しても通知をしなければならないのであるから留意すること。

5.関与税理士の調査立会についての留意事項

税理士の業務は、(1)税理士会に入会している税理士、(2)通知弁護士、(3)通知公認会計士、(4)税理士法第50条の規定により許可を受けた地方公共団体等の職員(以下「税理士等」という。)以外の者が行うことができないのであるから、大部分の場合に税理士業務におよぶこととなる税務調査の立会は、税理士等自身があたるべきものであることに留意すること。

〔別紙〕省略

税務調査の際の事前通知について

(昭和39.12.24官総8−193直所1−79直法2−45直資172査調1−59国協172国税庁長官、国税局長)
申告にかかる事項の税務調査に際して、納税者及び関与税理士に対して行なう事前通知については、昭和37年9月6日付官総6−230外5課合同「税務調査の際の納税者及び関与税理士に対する事前通知について」(通達)により、その取扱い方等を指示したところであるが、必ずしも、この通知の趣旨が徹底せず、その取扱いに統一を欠いているのではないかと見られるものもあるので、今後とも、上記通達にしたがい適切に運営するよう配慮されたい。

昭和49年6月第72国会衆議院本会議の決議(満場一致)

「税法行政の改善については、税務調査に当り、事前に納税者に通知するとともに、調査は理由を開示すること。」

税務運営の方針(国税庁)抜すい

税務調査は、その公益的必要性と納税者の私的利益の保護との衡量において社会通念上相当と認められる範囲内で、納税者の理解と協力を得て行うものであることに照らし、一般の調査においては、事前通知の励行に努め、また、現況調査は必要最小限度にとどめ、反面調査は客観的にみてやむを得ないと認められる場合に限って行うこととする。
なお、納税者との接触に当っては、納税者に当局の考え方を的確に伝達し、無用の心理的負担を掛けないようにするため、納税者に送付する文書の形式、文章等をできるだけ平易、親切なものとする。
また、納税者に対する来署依頼は、納税者に経済的、心理的な負担を掛けることになるので、みだりに来署を依頼しないよう留意する。

(参考) 韓国における事前通知

韓国税務士法第10条(調査通知)には、「税務に従事する公務員は前条の規定に依り、提出された申告書、申請書、請求書に関し、調査する必要があると認定したときは、当該税務士に対し、調査日時、場所を通知しなければならない。」と明確な事前通知義務の規定があり、わが国の現状との間には、大きな差異が認められる。

アメリカにおける税務調査手続

アメリカは、我国と同じく申告納税制度を採用しており、原則として1,000ドル以上のある者は、全て申告義務が負わされている。内国歳入法典には、租税の徴収の目的のために「調査官は調査に関連を有し、または調査にとって重要であるかもしれないあらゆる帳簿・書類等を検査する権限を有する。そして調査に重要であるかもしれない全ての証言を宣誓の下に関係者から求める権限を有する」と規定している。

1.調査の種類

(1)書簡調査
税務署長が納税義務者に申告書の特定項目について、資料を郵送して欲しい旨の手紙を送り納税義務者がそれに対して必要な資料を送付する形態の調査。通常、所得の少ない個人に対してなされる。

(2)呼び出し調査
税務署への出頭を求めて、日時を指定し、納税義務者の都合が悪ければ、交渉して変更できることになっている。調査項目と持参すべき資料は、この呼び出しの手紙に記載されている。

(3)臨場調査
調査官が納税義務者の事務所等に行って行うもので、前もって文書による通知がなされる(コンタクトレター)。その内容は、イ、日時、場所の指定ロ、納税者は証人又は補助としての他人の同席を求めることができることハ、用意すべき資料ニ、納税者は法によって立証責任があることなど記載されている。
また、この調査については、いかなる納税者も不必要な質問検査に服せしめられないこと、原則として帳簿の調査は一課税年度一回にかぎられること等の手続が定められている。しかし、この調査は全て純粋な任意調査で、調査に応じなくても罰則の規定はない。

(4)サモンズ(行政召喚状)
納税義務者が質問検査に応じない場合、調査官は納税義務者に対してサモンズを発し一定の日時に税務署に出頭させ、必要な帳簿書類等を提出させ、また必要な証言を求めることができる。この場合、出頭すべき日の規定は10日以上の余裕を持たせることと定められている。納税義務者がサモンズに従わない場合には逮捕その他の刑罰が課され、また裁判所侮辱による制裁も加えられる。またサモンズの手続はきわめて強力な強制を相手に与える為、行政権のゆきすぎをチェックする為、その執行は裁判所の判断に委ねられている。

ドイツにおける税務調査手続

ドイツは賦課課税制度を採用しており、納税者は、課税標準の基礎となる資料の申告書を提出する。提出された課税標準申告書が完全で、正当であれば、それ以上の調査を要することなく税額が決定される。しかし申告書が不備である場合や疑わしい場合は納税者に書面で必要な情報を求める。書面で期待できないときは、召喚し、帳簿及び営業用書類の提出を要求される。さらに必要がある場合には、租税行政庁は、租税債務者に関してその関係者に情報を求め、その帳簿及び記録の提出を求めることができる。

1.事前通知
調査命令書は、調査開始の相当前に納税義務者に告知され、通常は調査開始の14日前に書面でなされる。特にドイツにおける臨場調査の受忍は租税基本法により強制されており、納税者はその調査を黙認し協力しなければならない。

2.調査の延期
納税義務者の申請に基づき重要な理由が存すると考えられるとき、調査の開始は延期される。

3.調査命令書の内容
調査命令は、書面でなされ、次の事項が記載されなければならない。
イ.臨場調査の根拠条文ロ.調査を受ける税目、調査を受ける特定の内容(例えば外注費・交際費)ハ.調査対象期間ニ.調査開始予定日ホ.調査官及び補助者の氏名

4.調査対象期間
大企業の場合は調査は前回の調査に引続いて行われるものとされており、従って調査を受けない年度はないことになる。それ以外の企業については、最近3課税年度の調査を受ける。それ以上過去にさかのぼってなされた調査は違法であり、無効となる。

5.調査官の忌避
公務員の公平に対する偏見のおそれが存するとき、納税義務者は忌避を主張することができる。

6.最終協議及び調査報告書
調査結果については最終協議が行われ、最終協議の相当前に問題点及最終協議の期日を納税義務者に知らせなければならない。最終協議の手続を経た臨場調査の結果は、調査報告書によって報告される。
しかし、最終協議において完全な意見の一致をみない場合には、最終的な弁明の機会の付与が、次の手続によって行われる。
財務官庁は、納税義務者の申請により調査報告書をその利用前に納税義務者に送付し、これに対する意見を相当期間に開陳する機会を納税義務者に与えなければならない。

7.納税義務者の協力義務
(1)納税義務者は、自己の申告の正当さを立証しなければならない。

(2)納税義務者は、調査に際し協力を義務づけられているだけでなく、調査官に営業時間内に納税義務者の事務所に立ち入ることを認め、かつその場所で調査を行うことを認めなければならない。調査官は、納税義務者の許可がなければ住居への立ち入りはできない。

(3)納税義務者は、資料を提出しなければならない。さらに口答で、または書面で理解に必要な説明をする義務を負う。

(4)納税義務者は、またはその者の指名する情報提供者が繰り返し引き延ばしを図る場合には、強制手段の適用、あるいは推計課税が考慮される。

8.推計課税
租税行政庁は調査ができない場合、あるいは課税標準の計算ができない場合には推計しなければならない。納税義務者がその申告について十分説明できない場合、あるいは調査に協力しない場合、帳簿記録を提出しない場合、申告が帳簿に基づいていない場合も推計課税する。

日税連の税調答申(事前通知の法制化の要求)

税務調査の実情をみると国会における附帯決戦の主旨および国税庁長官通達にも係わらず、いわゆる抜き打ち調査が依然として行なわれており、このため税務当局と、納税者およびその代理人である税理士との間に種々の摩擦が生じている。もともと自主申告納税という民主的な租税制度のもとにおいては、脱税等の疑いのある場合を除き、一般には納税者に対して調査の事前通知を行なうことを原則とすべきであって、現状のままでは納税者の信頼を失い、ひいては円滑であるべき税務行政を阻害するおそれがある。
そこで税務行政における相互信頼性を保持するため一般の申告事案について調査するときは、一定の期間、たとえば一週間の予告期間を設けて、その旨を納税者に通知すべきことを国税通則法の上で明確に規定し、調査の事前通知制度を法制化することが望ましい。
これにより納税者の代理人である税理士は確実に事前通知を受けることとなるが、もし国税通則法上の制度化が早急に期待できないとすれば、税理士の固有権を創設して、代理権限を証する書面を提出している税理士は、納税者本人に対する通知の有無に係わらず、常に一定の事前通知を受ける権利があることを税理士法の上で明確にすることが必須の処置として考えられる。

通知なしで来た調査は延期の申出ができるとする判例

1.東京地方裁判所(第一審)昭和43年1月31日昭和38年(ワ)第10917号

所得税法または法人税に基づく質問検査権の行使は調査対象者の営業活動あるいは私生活の平穏に多少とも影響を及ぼすものであるから、税務職員としては事前に通知をなしたうえで調査におもむくことが好ましいことであることはいうまでもない。(中略)調査延期の申出自体は調査拒否ではないから、これをもって中野民商が反税団体であるということはできない。

2.静岡地方裁判所(第一審)昭和47年2月9日昭和43年(わ)第537号

なお、付言すれば、10月24日、11月7日の臨宅調査に対して、被告人《乙1》およびその妻が調査期日の延期を求めているが、それぞれについて前認定のように延期を求めるについて正当な理由があるのであるからして、これが調査拒否に該当しないことは明白である。

逆の判例

最高裁判所第三小法定(上告審)昭和48年7月10日昭和45年(あ)第2339号

質問検査の範囲、程度、時期、場所等実施法上特段の定めのない実施の細目については、右にいう質問検査の必要があり、かつ、これと相手方と私的利益との衡量において社会通念上相当な限度にとどまるかぎり、権限ある税務職員の合理的な選択に委ねられているものと解すべく、また、暦年終了前または確定申告期間経過前といえども質問検査が法律上許されないものではなく、実施の日時場所の事前通知、調査の理由及び必要性の個別的具体的な告知のごときも、質問検査を行なううえの法律上一律の要件とされているものではない。

事前通知について

(国税局)
1.税務調査を行うにあたっては、原則として調査対象者にあらかじめ調査日時を連絡することとしているが、これは、事前に調査日時を連絡しても税務調査の実施上に支障がないと認められる場合、あるいはかえって、その方が調査が効率的に行えると認められるような場合にするという意味のものであって、事前通知が調査を行ううえにおいての法律上の要件とされているものではない。このことは、所得税法の質問検査権に関する規定自体から明らかであり、事前通知の有無が、質問検査権の行使の効果に何ら影響をもつものではない。

(「税務調査の法律的知識」第9問)
(北野弘久)
2.所得税法234条の質問検査権は課税処分のための資料を得ることを目的とするものであって、それは純粋に行政レベルのものである。このような質問検査権の行使にあたって、被調査者側の事情を能うかぎり考慮するのが当然である。そのことを手続的に保障することは条理上不可欠であるといわねばならない。これに加えて、既述の憲法31条の適正手続の要請や憲法35条、38条違反の疑いを回避する見地からも、現行法に明文規定がなくても事前通知をすることは質問検査権行使の適法要件と解するのが妥当である。

(「質問検査権の法理」P23成文堂)
(三木義一)
3.事前通知がない場合には、納税者は不意をつかれ営業等に影響がでるので、合理的な理由を疎明できれば調査日の延期を申し出るのは当然の権利であり、そのことが直ちに調査拒否にあたるわけではないことにも留意しておくべきであろう。課税庁側は、「やむをえない事由が存しない限り」調査を受忍すべきというが(前掲・『税務調査の法律的知識』9の関連質疑応答参照)、課税庁側には不意打ちの調査権が国税犯則取締法上与えられており、しかも課税処分のための質問検査が任意調査であることからすれば、事前通知のない場合には、納税者側の事情が相当重視されねばならないと思われる。
ところで前記の最高裁決定によれば、確かに事前通知がない調査も認められることになるが、原則はどちらなのであろうか。適正手続の要請と「私的利益との衡量」とを重視すれば、原則的には事前通知が必要であり、ただ、例外的に事前通知を要しないものがありうることを認めたにすぎないともいえよう。また実務上も納税者の信頼を得るために事前通知が原則とされている。そうすると、事前通知なしに調査がなされる場合には事前通知をしなかった合理的理由を納税者に説明する必要があろう。判例では、「他人の受ける税務調査にも馳参じて抗議した原告であり、かつ、現金売りを主体に営業していると概観できる」(横浜地裁昭和52年5月25日判決・シュトイエル185号P10)場合には、事前通知を等要しないとしたものが見られる程度であるが、事前通知を要しない合理的理由を具体化することが今後重要であろう。

(「租税手続法活用事典」P14〜15ぎょうせい)
第72国会衆議院本会議の決議(昭和49年6月、満場一致)

税務行政の改善については、税務調査にあたり事前に納税者に通知すると共に調査は理由を開示すること。

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