医療法人又はMS法人が生命保険で節税対策した場合の問題点|事例 業種別 税金対策の余地

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蔵人会計事務所HOME > 税務会計・節税対策に役立つ情報 > 事例 業種別 節税対策の問題点と余地 > 医療法人又はMS法人が生命保険で節税対策した場合の問題点

医療法人又はMS法人が
生命保険で節税対策した場合の問題点

医療法人又はメディカルサービス法人(以下、「MS法人」といいます)において、生命保険を利用した節税対策の導入事例を散見します。
今回はこの医療法人又はMS法人において見られる生命保険を利用した節税対策の問題点を取り上げます。

1.生命保険を利用した節税対策とは

生命保険を利用した節税対策は、支払った保険料を費用として計上し、一定年数経過後、当該保険を解約することで支払った保険料の殆どすべての金額に相当する解約返戻金(収益となります)を収受し、一定期間、課税の繰延を行うものです。

節税対策に利用される保険
節税対策に利用される保険は、役員に対して掛ける定期保険(掛け捨ての保険)のうち、一定期間経過後の解約返戻金が支払保険料のほぼすべてとなる性質の保険です。
注意
支払った保険料の全額が費用とならない場合があります。
保険期間満了時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、加入時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が105を超える場合には「長期平準定期保険」の扱いとなり、全保険期間の前6割に相当する期間については、支払った保険料全額が費用とはなりません(この場合には保険料の2分の1が費用となります)。

2.生命保険を利用した節税対策の問題点

生命保険を利用した節税対策は、課税の繰延策です。
一定期間経過後に生命保険料として支払った金額の殆ど全てが解約返戻金として返ってきます(収益として認識しなければなりません)。

日本は、法人税率が低下傾向にありますので、一定期間課税を繰り延べることは、一定の効果がありますが、通常は解約の時期に合わせて退職金等、多額に必要となる資金拠出を計画することで、単なる課税の繰延ではなく、節税対策として設計していきます。

(法人税等の実効税率の推移)
平成24年3月以前開始事業年度:一般法人の実効税率40.86%
平成24年4月以降開始事業年度:一般法人の実効税率38.78%
平成27年4月以降開始事業年度:一般法人の実効税率36.05%
(注意)上記の実効税率は、中小企業で年所得800万円以下の金額に対して適用される軽減税率を考慮していません。

(1)医療法人にて生命保険の節税対策を導入する場合の問題点

医療法人にて生命保険の節税対策を導入する場合、一番の問題点は、「院長先生は1回しか退職することが出来ない。」という点にあります。

結果、一度生命保険による節税対策を導入した場合には、解約時期を迎えた場合には、更に大きな保険に加入をする等、退職金を支払うまで延々と保険料の支払いを行わない限り、節税対策としての効果が発揮できません。

(2)MS法人にて生命保険の節税対策を導入する場合の問題点

MS法人にて生命保険の節税対策を導入する場合の問題点は、大きく以下の3点です。

  1. 消費税の問題
  2. 医療機関の院長(理事長)の家族へ退職金を何度も支払って良いか?という問題
  3. MS法人の実態が、退職金の支給に耐えうるか?

A.消費税の問題
これは「MS法人を利用した医療機関の節税対策の問題点」に詳しく記載しましたので、そちらを参照してください。

B.院長(理事長)の家族へ退職金を何度も支払って良いか?という問題
医療法において医療法人の配当が制限されていることとの兼ね合いで、利益相反となるMS法人の代表者は、医療法人の院長先生(理事長)は就任できません。
結果、MS法人の代表者は、医療法人の院長先生(理事長)の家族が就任することが多くなっています。結果、MS法人にて生命保険の節税対策を導入する場合、MS法人の代表者として就任をした医療法人の院長(理事長)の家族に対して退職金を支給することになります。
これが家族の関係で良いか?という部分が問題の2点目です。

C.MS法人の実態が、退職金の支給に耐えうるか?
MS法人にて生命保険の節税対策を導入する場合には、代表者自身が退職することが必要です。結果、多くの場合、MS法人を作り直さなければならなくなります。
ここがMS法人の実態として大丈夫か否かが3つ目の問題点となります。

因みにMS法人に実態がない場合には、医療法人から利益移転をした金額が否認され、医療法人に多額の納税が発生することになります。

3.リカバリー策について

経営状況等によって解決策、リカバリー策が異なることがあるため、こちらでは問題点のみ紹介しております。現状を確認されたい経営者様、対策を検討されている経営者様は、お気軽にお問い合わせください。

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