品質を高める
1.日本の消費者の実態
日本で事業を営む場合、一番に考えなければならないのは製品、サービスの「品質」です。
海外の業者が日本と取引をする場合、日本は厳しいとか、うるさいというコメントを聞いたことがあるでしょう。この厳しい、うるさいの対象は、「品質」なのです。
また、現在の国内消費のブームは、 (特に最近は景気が良いのか)プレミアム商品(通常商品よりも価格が高く、高品質とされている商品)です。
2.品質を向上させる方法は?
品質を向上させるためには、顧客の満足を高める必要があります。この顧客の満足は、「顧客が満足に気づいた瞬間」に生まれます。
(参考)気づいた瞬間
毎日晩酌を行っている一家の大黒柱の男性(以下「A氏」といいます)を例に考えます。
給料が上がって生活にゆとりが出たA氏は、いままで発泡酒で行っていた晩酌をエビスビールに切り替えることが出来ました。この時、A氏は、エビスビールを飲んでいる自分に満足し、今までの苦労が報われたと満足することになります。
エビスビールはゴージャスな金色の缶でA氏の前に出され、A氏は金色のエビスビール缶を眺めながら、エビスビールの味を堪能し満足に浸るのです。「俺も出世したな…と」
これは一つの例ですが、ある製品やサービスの品質を高めていくには、消費者に満足を気づかせる商品でなければならず、それを分析するためには、どうしてその製品やサービスを利用するのか、いつ利用するのか、どのような状況で利用するのか等、深い理解が必要です。
3.顧客の行動を無視すると
この行動を無視すれば、大変な事態となってしまいます。
エビスビールが消費者に更なる支持を獲得しようと、値下げを検討したと仮定します。この時、値下げに伴う原価低減策として、紙パックでエビスビールを提供したらどうでしょうか(紙パックでビールが出荷できるかはわかりませんが…)?
紙パックで提供されるエビスビールはもはやエビスビールではなく、そこには何のプレミアムも存在しないばかりか、恐らくエビスビールは急速にシェアを落とすことになるでしょう。紙パックの商品はプレミアムではないのです。
4.ニーズを見つめるとは
消費者のニーズを捕まえるためには、消費者の行動を推測する必要があります。
消費者に何が必要ですか?と直接聞いても、多くの場合何も得られません。消費者がどのように行動し、何を欲しがっているかはあくまで推測するしかないのです。その中で消費者の行動にマッチする製品、サービスが出てきた時に消費者の支持を得ることが出来るのです。