動機付け(モチベーション)について
1.動機付けをしないとどうなる?
親が子供に向かって「勉強しなさい!」・・・誰もが1度は経験する光景です。子供のときに言われて嫌だったのに、親になったら言ってしまったという人もいるのではないでしょうか?
この子供の時に言われて嫌だったときの情景を思い浮かべてください。あなたは親に「勉強しなさい!」と言われて何が嫌だったのですか?
「今やろうと思っていたのに〜」と言い訳しながら、内心「ギクッ」としていた方が多いのではないかと思いますが、中には「勉強したらどうなるんだよ〜」と核心をついた質問をしていた方もいるのではないでしょうか?
この時、多くの親は「勉強したら将来立派な親になる」とか「勉強したら一流の大学に入れる。そうしたら未来が明るいのよ」とか、子供がキャッチ出来ないボールを投げてきます。しまいには、「いいから勉強しなさい」と半ば強制、これでは動機付けにはなりませんので中々勉強に身が入りません。
2.組織の中の仕組み
会社では、「報連相」と教育され、部下は上司に対して「報告」「連絡」「相談」が義務であるように教育がなされます。一方、上司はと言うと、「○○君、これを××しておいてくれ」という指示が多いのではないでしょうか?違いが分かりますか?
「報告」「連絡」「相談」をする部下は上司に対して自分はどうしてそのように思うのかを必ず説明しなければならないのに対し、上司が部下に指示をするときは、一般的には理由は説明をしない傾向にあるのです。
そればかりか、情報の量は上司と部下で差があります。当然、上司の方が情報量が多いので、指示をされた部下は、どうしてそうなるのかについて「腑に落ちない」という情景が出てきてしまうのです。
3.組織で部下に力を出させるためには
以上の説明から答えは出ているようなものですが、部下に力を出させるためには、出来る限り「どうしてそのように考えたのか」を説明してあげることが大切です。
そして部下は「どうしてそのように考えてたのか」について質問をすべきだと考えます。この両者の歩み寄りが無い限り、お互いの溝は埋まりませんし、動機付けがなされていないのですから、本当の意味でやる気も長続きしないのではないでしょうか。
また、このことは上下関係だけでなく、横の連携についても同様です。部署を超えて何かをお願いするとき、調整しなければいけないものが存在するとき、出来る限り、どうしてという理由をあわせて説明すると調整が早く、軋轢が少なく済むようになります。